MY OBSESSIONS / PAAK HOTEL -sai- in Obi
- 2025 JUNE.6 Fri
MY OBSESSIONS
PAAK HOTEL -sai- in Obi
by Ryo Kanemaru, GALERIE VIE Marunouchi
ギャルリー・ヴィーのスタッフによる、お気に入りのモノ・コトにまつわるミニコラム。生活の中で心が動いた瞬間や、ついつい集めてしまうもの、本当は内緒にしたいけれど好きな場所など…。
今回は、ギャルリー・ヴィー丸の内店の金丸が訪れた宮崎のホテルについて。上京してから人生の楽しみのひとつである、地元 宮崎への帰省。両親の趣味が高じて、最近では山奥でキャンプをしたり、いつもとは違う空間でのんびり過ごす時間が増えました。
昨年の春、非日常感を味わいたい両親の希望を叶えるべく予約したのが〈犀-sai-〉。宮崎市内から1時間ほど車を走らせて、武家屋敷が建ち並ぶ飫肥の城下町にぽつんと佇むとある古民家に到着しました。暖簾越しの引き戸を開けると、そこには古き良き名残りとモダンな様式が融合されたくつろぎのスペースが。想像以上の空間デザインに圧倒され、到着するなり私も両親も高揚しながらルームツアーしたのを今でもよく覚えています。テーブルには飫肥発祥のウェルカムドリンクや和菓子が添えられ、香り高い飫肥杉を使用したバスルームなど、地元ならではのモノを五感で楽しむ工夫が随所に散りばめられていました。
ふと玄関に目を向けるとひとつのノートが。パラパラと捲ると、過去の宿泊客が書き記したメッセージで埋め尽くされていました。筆跡からどんな人がどういう目的で訪れたのかが読み取れ、知らない誰かの旅のワンシーンを覗いたような感覚でした。海外の方から称賛の言葉もあり、地元を誇らしく思ったり。その晩、美酒に酔いしれノートに私の言葉を残せなかったのが唯一の心残りですが、ここでしか味わえないスペシャルなひとときをまたいつか感じてみたいです。
PROFILE
金丸凌
ギャルリー・ヴィー 丸の内店 スタッフ 兼 WEB・SNS担当2016年にトゥモローランド入社。入社3年目よりギャルリー・ヴィーのブランドサイトやインスタグラムの運営・管理を兼務。ブティックを経営している叔母の影響で、幼い頃からファッションに夢中。