自分らしく生きる、5つの要素
- 2025 JUNE.9 Mon
TALK WITH…
自分らしく生きる、5つの要素
ATSUSHI HAYASAKI(TEMBEA Designer)
ギャルリー・ヴィーが歩んできた40年の旅のなかで、たくさんの素敵な方々と出会うことができました。
変わらない自分らしさを見つけるための、ささやかなヒントや視点。それらは、私たちの周りにいる人々から、日々教わっていることでもあります。
「自分らしく生きる、5つの要素」では、ギャルリー・ヴィーがお世話になっている方々に、5つの質問を通して、自分らしさの源や大切にしているモノ・コトを伺いました。Q 今の自分にとって、”定番化した好きなかたち”、あるいは”愛着のわくかたち”はなんですか? 『もののかたち』に対して強い興味があり家具やオブジェクト、器などフォルムから入ることが多いです。特に塊感のあるものに魅力を感じ、例えば椅子よりもスツールが好きだったり、器もどしっとしたものが好みです。
また普通であるものが好きですが、同時に変わったものやクセ(フック)のあるものも好きです。真正性と意外性が共存しているもの、その二つがきちんと両立しているものに惹かれます。自分の作るプロダクトもその好みが強く出ていると思います。Q 人生に影響を与えた”旅”にまつわるエピソードはありますか? 学生時代にアルバイトでお金を貯め、初めての海外旅行でタイに行きました。バックパックに荷物を詰め込み、2週間安宿に泊まり各地をまわりました。道に迷いヒッチハイクをしたりなど、今思えば無茶な旅だったと思いますが、スマホもない時代にガイド本一冊でよく行ったなと思います。
その時は学校に行きつつバイトでお金を貯めては海外に行くという生活をしていましたが、旅行の楽しみと同時に働く楽しさもその時に知ったような気がします。
仕事とそれ以外の垣根がないような感覚で全体として楽しんでいました。
Q 最近の生活の中で、些細な幸せや喜びを感じた瞬間、素敵だなと思った仕草はありますか? 仕草ではありませんが、、、時間により変わってしまうものがある中で、時間が経っても変わらず少ない言葉でも共感できるということ。取り止めもない話、くだらない話、時に真剣な話ができるという関係。同じ方向に向かって歩んでいく仲間。それがとても楽しく貴重だということを最近感じます。
そして何事に対しても(しょうもないことにも)真面目に取り組む姿勢は素敵だと思います。Q 自分を整えたり、自分の軸を取り戻すために行っていることはありますか? ピラティスと自転車と車
どれも共通することは自分に向き合う時間を持つことができるということ。
ピラティスは体を動かすことによって滞っていたものが動き出し、心身ともに固まっていたものが緩まっていきます。自転車や車に乗っている時は頭の中が走ることだけになり空っぽになっていき、その後に色々な考えが巡りだします。頭と体が整頓されクリアでニュートラルな感覚になるので、自分にとってはなくてはならないものになります。
Q 日々の生活の中で洋服を装うことについて、自分の中のルールや意識していること(コーディネートの選び方やその基準)はありますか? 基本ファッションに限らず興味が散漫でとりとめがないんですが、体に合うものスタイルに合うものを選んでいます。最近では年齢、肌や髪の色と合うかも気にするようになりました。
とはいえ感覚的に選ぶことが多く、その時の気分を表現してくれるもの、刺激を与えてくれるもの、安心できるもの、そして何より好きなものを選んでます。その日の予定や行動により服を変えていますが、気兼ねなくいられるものが好きです。自分の好きなものは知っているつもりですが、そこだけに留まらないように好奇心が持てるものを常に探すように心がけています。Photo Kazuhiro Fujita
PROFILE
早崎篤史
2004年にバッグブランド〈テンベア〉を設立。バゲットや本など、用途が決まっている専用のバッグを提案する。キャンバス生地を中心に使用したラインナップは男女から人気。場所も時代も選ばない、普遍的な道具としてのバッグを作り続けている。