何故かずっと好きな「ポチ袋」。わざわざ買いにはいかないけれど、銀座で予定があれば鳩居堂に、歌舞伎鑑賞に行った際はお土産コーナーで、行く先で目にすると必ず買ってしまう。なんでだろう。 柄、色、素材、 美しいシンプルなデザインだったり、カラフルだったり、きっと私はその小さなサイズ感の中にギュッと詰まった個性に惹かれるのだ。
ポチ袋を使う時は、 渡す相手を思い浮かべながら、どれにしようか選ぶのも一つの楽しみ。

そしてこの小さな袋から、 少しばかりの心遣いをしたためた「これっぽち」という控えめな気持ちが溢れている。 その日本の“らしさ”が込められた小袋からは、 言葉が無くても気持ちが伝わる“日本の美”が感じられるのも好きなところ。

電子マネーが主流な今も、 借りたお金を返す時はポチ袋で渡したり、無い時は申し訳なさそうに 「ハダカのままですいません…」という声を聞く。 そういう光景を目にする日常にほっとして日本人であることを誇らしく思い、その“美”を大切にしたい。