自分らしく生きる、5つの要素
- 2025 MAY.8 Thu
TALK WITH…
自分らしく生きる、5つの要素
NATSUKO KOIKE(Pearl+ Brand Director)
ギャルリー・ヴィーが歩んできた40年の旅のなかで、たくさんの素敵な方々と出会うことができました。
変わらない自分らしさを見つけるための、ささやかなヒントや視点。それらは、私たちの周りにいる人々から、日々教わっていることでもあります。
「自分らしく生きる、5つの要素」では、ギャルリー・ヴィーがお世話になっている方々に、5つの質問を通して、自分らしさの源や大切にしているモノ・コトを伺いました。Q 今の自分にとって、”定番化した好きなかたち”、あるいは”愛着のわくかたち”はなんですか? 日々の生活で何かを探す時に、意識せずとも自然と、肌触りが良く天然素材のもの、生き生きと元気な野菜や果物や花・植物たち、そして自然のままの素のままの色が好きだな、と感じます。
少しざらざらしていても使ううちの柔らかくなっていくリネン、漂白された白色よりも素材そのものの時にはムラがのこるアイボリー、まるでこの世のものとは思えない鮮やかな自然界の色たちも好きで、たまに気に入っている服にその色がついてしまっても、それが味かなって思ったりします。
海辺で手に取りたくなるのは、優しい丸みがある貝殻や石。ジュエリーも身体に馴染むような丸みがあるものを好んで長くつけています。そういえば服の形もどこか丸みがあるものがわたしの定番かもしれません。Q 人生に影響を与えた”旅”にまつわるエピソードはありますか? 幼い頃から、旅好きの母が、海外のいろんなところに連れて行ってくれました。今では友人もいて馴染みあるハワイもNYもLAも、ポートランドも、ヨーロッパの国々も最初に連れて行ってくれたのは母でした。その影響で、ずっといつかは旅先の人と話したり、歌や本の意味を理解したいなと、幼い頃からずっと思っていて、東京の高校を卒業した後にアメリカに渡らせてもらいました。夏休みなど特別なお休みだけのものであった“旅”は、母や家族とのものから、友人と、時にひとりで、と回を重ね、今は、”旅“をしているときのように、日々の生活の瞬間をも大切にできるようになりたいと感じています。“旅”を共にしてくれる存在と共にある時も、ひとりでいる時にも。海が好きなのも、いろんな海に連れて行ったり写真や音楽、映画を通して教えてくれた母の影響です。
Q 最近の生活の中で、些細な幸せや喜びを感じた瞬間、素敵だなと思った仕草はありますか? 仕事もお休みの日もつい予定を詰め込んでしまうので、何も予定を入れずに、我が家でのんびり料理をしたり、近所の海辺まで犬と散歩に行ったり、映画を観たり、という時間をとても大切に感じます。いっしょにそれをしてくれる存在あってのことで、ひとりだとつい何かしらやろうとしてしまうのですが。
ふと見上げた空がきれいだった日は、それが朝でも夕日でも月が見える夜でも、空を見上げる余裕があったことに喜びを感じます。Q 自分を整えたり、自分の軸を取り戻すために行っていることはありますか? 大学生時代にアメリカの授業でヨガと出会ってから、今までヨガはずっと続けています。向き合い方はその時により変化してきましたが、いつでも迎えてくださる恩師たちや仲間に会うと、普段の仕事や生活から離れ、自分を整えることができると感じます。
忙しくそこから離れてしまう時には、自分が好きな香りや習慣をもっておくこと。例えば毎朝起きてコーヒーを淹れることも、お気に入りのエッセンシャルオイルを数滴たらしたり、お香を焚いてみることも。慣れ親しんだ香りや工程に心が落ちつく気がします。
1日に1度は深呼吸してみることも。
自分の軸は、取り戻すというよりも、自分を見つめ、恐れずに、自分自身も周りも常に変化するものであることを受け入れるということなんじゃないかな、と思います。こうあるべき、こう期待されている、ということに悩まされるよりは、今どうありたいか、と考え行動できるようになっていきたいです。
Q 日々の生活の中で洋服を装うことについて、自分の中のルールや意識していること(コーディネートの選び方やその基準)はありますか? その日の気分に素直に従い、思いのままに。肌触りの良い素材、美しいシルエットのものを身に纏うことが、1日のモチベーションに繋がります。尊敬する友人たちのつくった服を身に纏えることや、長く大切に着続けることに幸せを感じます。ジュエリーとパフュームは同じものを長く大切に身につけています。友人であり尊敬する調香師でもあるBarnabe Fillionが丁寧に時間をかけて共につくってくれた〈Pearl+〉のエッセンシャルオイル〈Reminiscing〉の香り。包み込むように懐かしくずっと前から知っていたようで、けれども常に新鮮でインスピレーションを与えてくれるように、という思いが込められています。私の日々の装いや立ち居振る舞いもそうでありたいと思います。PROFILE
小池夏子
東京で生まれ育ち、大学でアメリカに渡りジャーナリズムを学ぶ。その後コミュニケーションの仕事に携わる中で〈Pearl+〉のファウンダーの2人であるJohn Jay、Janet Jayと出会い、ブランドの日本での立ち上げの際からブランドディレクターとして参加。変化のスピードが早く慌ただしい現在社会において、心やすらぐような香りや安心な素材を使用したプロダクトを提供することを目指している。