BRIDAL Buyers Interview vol.2
TOMORROWLANDの『BRIDAL RING ORDER』。
アクセサリーバイヤー和田が、参加ブランドの魅力をお届けしていきます。
vol.1では〈CHERRY BROWN〉、〈hum〉、〈MONAKA jewellery〉、〈JOAQUIN BERAO〉、〈PALA〉の5ブランドをご紹介いたしました。
BRIDAL RING ORDER "BUYER Interview" vol.1
今回vol.2では〈Satomi Kawakita Jewely〉、〈simmon〉、〈SIRI SIRI〉、〈talkative〉、〈tmh.〉、〈noue〉の6ブランドをご紹介いたします。
- TOMORROWLAND バイヤー
和田麻里子
@mariko.wd
TOMORROWLANDのアクセサリーバイヤーを担当。 パッと目を引く華やかなスタイリングに合わせる アクセサリー遣いも他の人には真似できない唯一無二のバランス感覚。 凛としながらも華やかさと大人な遊び心がチャームポイント。
Interview
※以下ブランド名アルファベット順。
女性の持つ本質的な美しさを引き出せるよう、華美な装飾を排したジュエリーを提案。直線と曲線で構成される最小限に切り詰められた構造は、インダストリアルな雰囲気でありながら、さりげないエレガンスを併せ持つ繊細なフォルム。
「今回の企画から初めて参加いただくことになったブランドです。ブランドコンセプトにある通り、女性の持つ本質的な美しさを引き出すような曲線美に惹かれました。シンプルながらも他にはないデザインが魅力的なんです。」
「〈NOUE〉の特徴でもある直線と曲線の美しさをそのままリングにしたような、甲丸の"RING NBR C"平打の"RING NBR S"。このリングにとても惹かれ、お声をかけさせていただきました。重ね付けとはまた違った表情として、どちらもリングが二重にくっついているような重厚感のあるデザインが特徴的です。メインとなる地金とアクセントとなる細い地金、それぞれの素材とテクスチャーをお選びいただけます。色合いはプラチナかイエローゴールドを展開。リングの内側には、刻印やお好みの石を入れることもできるので、ぜひ店頭で実際にお選びください。」
N.Y.発信のSatomi Kawakita氏によるジュエリーブランド。職人としての技術力をベースに、良質かつサステイナブルな素材を使用し、年齢や流行に関わらず、日常的に長く愛用してもらえるデザインを提案する。
「270点という圧巻のラインアップの豊富さが魅力的です。前回の企画では、総計170点だったのですが、そこからさらにラインアップを増やしました。その理由には、『関わるひと全員に幸せを運びたい』というブランドのコンセプトがもとになっていて、普段指輪をつける習慣がない方でも、パートナーとサイズや好みが異なっても270点のラインアップから自分だけのお気に入りのデザインを見つけることができます。日常的に身に着ける用、エンゲージ、マリッジリングとそれぞれの記念日に合わせてパートナーと一緒に、お気に入りのリングを買い足すことで思い入れも強くなっていくと思います。」
「その中でも定番なのが"ヘキサゴン"。六角形でマットな表面加工がシンプルだけど、陰影が出ているブランドらしい個性が感じられます。組み合わせに迷われている方には、まずこちらのリングをご紹介してますね。そのあとに組み合わせとしては、"ヘリンボーン"をオススメしています。"ヘキサゴン"とは違って、存在感のあるすべて手彫りのヘリンボーン柄が特徴的なデザイン。全体的にはシンプルな雰囲気に仕上がっているので、メンズのお客様であればホワイトカラーにカスタマイズして身につける方が多いです。それらを土台に、ペアのダイヤ付きのリングを重ねたり、日常的には重ねる順番を変えるだけでも毎日違う表情を感じられます。」
『記憶を紡ぐ』をコンセプトに、遠く暖かい記憶を思い起こさせるようなジュエリーを展開。ジュエリーがその新たな記憶の1ピースに加わり、子供の時代を振り返って微笑むときのような自然な笑顔にさせてくれるものになってほしい、というデザイナー・佐藤 司紋氏の想いが込められている。ジュエリーとともに時を過ごし、長く歴史を刻んでいただくために商品の修理やクリーニングも行う。
「もともとファッションリングも展開しているブランドかつ、昔の記憶や懐かしさをコンセプトにしていることから、日常的に親しみを持って身につけられるデザインが多いです。そこにエレガントでソリッドな雰囲気が加わることで、ブライダルリングとして男女問わずつけていただけます。比較的男性の方も選ばれる方が多い印象ですね。」
「"バケットシグネット"は、細部まで2人ならではのカスタマイズができるリングになっています。まずトップの部分を四角か長方形で選べて、その四面体側面の素材も7種類の組みあわせから選べます。例えば、リングの台座からトップまで同じ配色にすることもできますし、一箇所だけ色を変えることもできます。そして仕上げもマットか鏡面なのか選べることで、自分だけの特別な表情を引き出せます。シグネットというと、カジュアルなイメージを持たれる方もいると思うんですが、これだけバリエーションがあることで、普段の服装を想像しながらも上品な色合いと素材の組み合わせによって、ブライダルリングとして身につけられる絶妙なバランスを感じていただけます」
『鎖』を意味するスワヒリ語"silisili"に由来するジュエリーブランド。意外性を感じさせるマテリアルと伝統的な職人技術との組み合わせにより、コンテンポラリーな作品を発信する。その独自のスタイルは、既成概念に縛られず自分の美意識に忠実な人の生き方に呼応している。
「日本の伝統工芸を守ることを信念に立ち上げられたブランドです。最初のコレクションでは、江戸切子や吹きガラスなど職人さんとコラボレーションしてジュエリーを発表されていました。しかも、それらの守るべき伝統工芸の技術を若い人たちにとって身近なものとしてデザインに昇華しているところが魅力的です。デザイナー・岡本 菜穂氏が初期コレクションから変わらず職人さんと二人三脚で楽しんで制作している姿は、ジュエリーにとって新しいジャンルを切り開いているように感じます。」
「さまざまなジュエリーを展開している中で、ブライダルリングとしては7種類を展開します。"DIALOGUE", "ROUND", "ARCH", "SQUARE", "TRIANGLE", "SEA", "SKY"とそれぞれリングに名前がついていて、どれも究極のシンプルな曲線美を追求しています。今回の企画では、リングを並べる什器もオリジナルなもの。ひとつずつの形の違いを一目でわかるような工夫がされている什器で、ブランドの世界観をより感じていただけると思います。そしてブライダルリングとしては、このシリーズのみ展開している潔さも素敵です。シンプルなデザインの中に制作背景から刻まれた重厚感があり、周りの人とは違うリングをお探しの方にはぴったりのジュエリーです。」
『もっと自由に、ボーダーレスに。現代を自分らしく生きるすべての人の日常に、ささやかなウィットと輝きを』をブランドコンセプトに掲げる。アートピースさながらのハンサム&ラグジュアリーなスタイルに、グラフィックデザイナーを経たマロッタ忍氏ならではの感性が宿るデザインが特徴的。
「デザイナーのマロッタ忍さんの考えるデザインは、ひらめきと実験がもとになっています。例えば、"TYING/straight"は本物の縄の型を象ったデザイン。モチーフは一見ハードに感じるかもしれませんが、長く身につけるほど陰影が刻み込まれ、表情が変わっていく繊細さも感じられます。色合いもイエローゴールド、プラチナのほかにもシャンパンゴールドと3種類選べて。特にシャンパンゴールドは独特の優しい印象なので肌になじみやすい色合いになっています。男女問わず、選んでいただける色合いをもつリングなのでぜひパートナーと一緒に好みの色を探してみてください。」
「私のオススメは、"WELD"。こちらも"TYING/straight"と同じく実験的なデザインで、板状に切られたリングのつなぎ目を綺麗に仕上げるのではなく、あえて溶接した部分をデザインのメインにしているんです。それはまるでぴったりくっつけて離れない2人の関係も表しているように感じます。例えば、溶接部分にダイヤを一列に入れることもできますし、素材や幅、内側の仕上げなどもバリエーション豊かに選べるので自分たちだけのお気に入りのリングが見つかるはずです。」
シンプルながら精神性のある造形が特徴の〈tmh.〉。美術、工芸、文学、社会など様々なジャンルや美醜を超えて、自身のアンテナを刺激するもの・ことを創造の糧にシンプルながらも凝縮された形で表されたジュエリーやオブジェ、プロダクトを生み出している。
「ひとつずつのシリーズに対して、デザイナー・古田智彦さんが考える独自の哲学がデザインにあらわれています。どのシリーズも、美術や歴史、社会などと呼応するようなストーリーが込められていて、リングをきっかけに違う世界へと誘ってくれます。恵比寿に構えるお店の内観からも確固たる世界観を感じていただけると思います。」
「まさにそのブランドの特徴を表しているが、"touch raw"。普通ブライダルリングのダイヤであれば外側についてますよね。でも、"touch raw"の場合は、内側に配したダイヤモンドの原石が直に肌に触れるようになっています。ダイヤモンドの原石結晶が持つ美しさをそのままに、あえて人目に触れるのではなく自分だけのお守りのような存在として感じていただけます。ほかにも、"C-cret", "D-cret"のシリーズでも原石がスリット部分に向かい合うようにセッティングされ、その2石から交差する"光"を感じていただける内省的なコンセプトのデザインが魅力的です。太さに種類があるので、男女問わずパーソナルなリングとして、お守りのように長く身につけていただきたいです。」