BRIDAL Special Interview〈Satomi Kawakita Jewelry〉
TOMORROWLANDの『BRIDAL RING ORDER』。
さまざまなゲストを迎え、魅力をお届けしていきます。
NYを拠点にするジュエリーブランド、〈Satomi Kawakita Jewelry〉のSatomi Kawakitaさんと、TOMORROWLANDアクセサリーバイヤーの和田麻里子が対談。自分らしいマリッジリングの見つけ方を掘り下げます。
- Satomi Kawakita Jewelry デザイナー
Satomi Kawakita
@satomi_kawakita_jewelry
日本でガラス工芸、ビーズアクセサリー制作を手がけた後に単身渡米。
ジュエリーメイキングの専門学校で基礎を学び、2003年より宝石の石留め職人であるマスターセッターRichard Scandaglia氏に師事。
2008年に自身のジュエリーブランド〈Satomi Kawakita Jewelry〉をローンチ。
デザイナーであるとともにプロフェッショナルなダイヤモンドセッターでもあり、鋳造以外のプロセスをすべて担うことができる職人である。大阪府出身。
- TOMORROWLAND バイヤー
和田麻里子
@mariko.wd
TOMORROWLANDのアクセサリーバイヤーを担当。 パッと目を引く華やかなスタイリングに合わせるアクセサリー遣いも他の人には真似できない唯一無二のバランス感覚。凛としながらも華やかさと大人な遊び心がチャームポイント。
Interview
―まずは、〈Satomi Kawakita Jewelry〉のブランドコンセプトからおしえてください。
Satomi Kawakitaさん(以下S):ジュエリーが誰かの手元に届くまで、仕入れから着用まで、関わるひと全員に幸せを運びたいと思っています。最近の新しい取り組みでは、サステナブルな素材選びにも力を入れていて、古いジュエリーから採取したダイヤをできるだけ使うようにしています。メタルは99パーセント、リサイクルですね。
和田麻里子(以下W):去年の2月にNYでお会いした以来の再会ですが、ダイヤにおいても、サステナブルな取り組みをされていることは、今日初めて知りました。
S:約2年ほど前に取り組み始めたプロジェクトなのですが、既に仕入れて在庫にあった石を使い切り、Reclaimed/Recycled Diamondを扱っている新しい仕入先からの石だけに切り替えるのに時間がかかり、公言できるようになったのが最近なんです。
―お二人の出会いはいつ頃でしょうか。
W:Satomiさんとの出会いは、私がNYで買い付けをするようになった13年前に知り合いました。取り扱いがあるジュエリーブランドのなかでも、特に長くお付き合いをさせていただいています。初めてお会いしたときには、ブランドを始動されて間もない頃でしたが、一つ一つの完成度が高く驚いたのを覚えています。そこからどんどんブランドが成長して、ショールームも大きくなり、NYのサクセスストーリーを見ているような感じでしたね。現地でジュエリーの技術を学ばれたんですよね?
S:そうですね。NYのジュエリー専門学校へ半年間通って、その後約8年間石留め職人の仕事をしていました。職人の仕事をする脇で友人の結婚指輪をつくったりしていたのですが職人時代はゆくゆく独立することを目標にしていたので同僚からこっそり石留め以外の技術、また上司からは素材の仕入れの仕方も学ばせてもらい、鋳造以外は一人でできるようになったんです。ブランドを立ち上げて間もない頃は、ベッドルームで制作していました。ほかのデザイナーとシェアしていたスタジオ兼ショールームで、和田さんと出会ったんですよね。そのときから知っている方は、とても貴重です。
W:アメリカを拠点にすることについて、躊躇はなかったのでしょうか?
S:ただその先に起こる苦労を知らなかったから、できたんだと思いますね。知っていたらやってなかったでしょうね。(笑) 今は、基本NYをベースにしながらイベント時に合わせ、自分でサンプルを持って日本を訪れるルーティンで来日しています。今回のイベントでは、約140点持ってきました。
W:このイベント以外でも、渋谷本店では常設で〈Satomi Kawakita Jewelry〉のブライダルオーダーを受け付けていて、TOMORROWLANDでお取り扱いのあるリングのなかでも、バリエーションの豊富さはピカイチなんです。ブライダル用でありながら、ご自身でファッションとして重ね着けして楽しんでいただけるアイテムが多いのも魅力です。
―Satomiさんは、NYでショールームを営まれていますが、お客さまとのエピソードをおしえてください。
S:「指輪は似合わないの」と謙遜されるお客さまもいらっしゃるのですが、ほかのブランドに比べてかなりのバリエーションを用意しているので、どのような肌色でも、指のかたちでも、フィットするものを見つけられますよと提案しています。それで、気に入っていただけると心のなかでガッツポーズしていますね。選ぶ理由もさまざまで、背筋が伸びる経験もありますね。たとえば、お母さまが痴呆を患っていて、辛い看病の日々を過ごすご自身へのご褒美に指輪をオーダーした方がいました。その後、お母さまにどのような指輪を選んだか見せたいと来店されて、お揃いで買っていかれたり。
W:最初にお話しされていた、「関わるひと全員に幸せを運びたい」というコンセプトの真骨頂ですよね。
S:そのジュエリーがどんな風に旅立って、ひとの人生に作用しているのかを知れて原点に戻るきっかけになりましたね。
―ブライダルジュエリーにおいては、どうでしょう?
S:アメリカならではのエピソードですが、サプライズでプロポーズした動画を撮って送ってくださったり。皆さま、買うまでの工程も大切にされて、うちのスタッフにいろいろ相談してくださって共同作業のような感じで進んでいくので、良い結果をメールで報告していただけると本当に嬉しいですね。日本のお客さまからは、SNS経由でメッセージをいただくことも多いですね。
W:前回のイベントでは、1月1日にサプライズでプロポーズされるというお客さまがいらっしゃって。海外から届くため、間に合うかドキドキしていたのですが、朝早くあげて頂いて、無事お客様から「渡せました!」とご報告いただいたときはスタッフ一同すごく嬉しかったですね。幸せなストーリーの一部に、お力添えできて光栄でした。
―では、今回の企画でこだわった点は?
W:やはり、ラインアップの豊富さで、重ね着けを前提にした提案ができることですね。本数を絞ってしまうと、Satomiさんのブランドらしさが欠けてしまうと思ったので、ブライダルとして提案できるものをすべて展開させて欲しいとお話して、常設含めて総計170点になりましたね。
S:同じテクスチャーでも、石の大きさ違いとかで、ついついたくさん作ってしまうのですよね。
―お二人はどちらのデザインをオーダーをしたいですか?
W:わたしは"ヘリンボーン"ですね。接客時に相談されたら、いつもこちらをおすすめしています。Satomiさんのリングは、一本一本表情が違って、存在感抜群なんです。
S:わたしは、バンブーの表面みたいな質感の"ストライプバンド"というアイテムが好きですね。
―最後に、〈Satomi Kawakita Jewelry〉だからこそ叶うリングをおしえてください。
W:バリエーションが豊富なので、お手持ちのジュエリーとのバランスで、石の大きさやリングの太さを決めることができます。お洋服のコーディネートを考える様にどのようなアクセサリーと重ね付けを楽しむかを念頭に入れて選ぶことができるのが特別です。
S:先を見越しての提案ですよね。私がカスタムしないのは、ありとあらゆるデザイン展開をしていて、すべて出しているから。メタルの色や、リングの太さ、石の大きさもさまざまに用意しているので、そのひとの個性に寄り添える自信があります。それって、カスタマイズと変わらないんですよ。