STAFF COLUMN 〈Gifts〉
ランド オブ トゥモローのスタッフが
独自の視点で綴る連載企画〈STAFF COLUMN〉。
今回は今シーズンのおすすめのギフトを、
スタッフのゆかりあるモノとともにご紹介いたします。
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STAFF : ONISHI
最近は、頑張っている自分へのご褒美として、
何かしらギフトを選ぶことがありますよね。
私が以前に購入した「自分へのギフト」は、
〈Hermès〉のホースシュー(馬蹄)リングです。
有名で人気のあるモデルなので存在は知っていましたが、
購入した当時はまったくノーマーク。
ただ、〈Hermès〉のヴィンテージジュエリーの
イベントを見にふらっとお店に立ち寄っただけでした。
それなのに、気がつけばすぐに指に着けていて……。
本当は中指に着けたかったのですが、サイズが薬指にしか入らず。
左手は結婚指輪があるため、右手の薬指に。
心の安定、恋愛成就。いいじゃない!
恋愛はもういらないけれど、精神安定は大事!
そもそも馬蹄には素晴らしい由来があります。
馬の足を守るものという意味から、
古くから魔除けや幸運を呼び込む
「お守り」のような存在とされてきました。
また有名な話ですが、
この馬蹄の U 字型を
上向きにつけるか下向きにするかで
意味が変わります。
上向きなら幸運を受け止め溜め込む。
下向きなら不運を落とし、
あるいはその下をくぐる人に幸運を降り注ぐ。
なんて素敵なのでしょう。
そんな経緯で即決。
結果的に「自分へのギフト」という言い訳を
後から付けたような形になりました。
それからは、ほとんど毎日着けています。
子どもが生まれてからは、
なんとなく着ける向きを変えるようになりました。
仕事に行く時(子どもと離れている時)は
U 字を上向きにして、
幸運をどんどん呼び込むように。
お休みの日(子どもと一緒にいる時)は、
外からの不運をバリアし、この幸せが逃げないように下向きに。
本来の意味とは少し違いますが……。
そんなふうに、いつもそばにいてくれる
“お守り”のような存在って、
なかなかありませんよね。
特に女性はそういう存在として、
ジュエリーを選ぶことが多いのではないでしょうか。
なかでもリングは、
古代エジプトやローマ時代から
「永遠の愛・絆・誓い」の象徴として扱われてきた背景もあり、
他のジュエリーより
深い意味や思いが込められやすい気がします。
そして、私がいま“お守りジュエリー”としておすすめしたく、
自身でも購入を考えているものが、
デンマーク発のジュエリーブランド
〈SOPHIE BILLE BRAHE(ソフィー ビル ブラーエ) 〉のパールリングです。
夜空に浮かぶ星座や月、海、神話をモチーフにした、
物語を紡ぐような美しいデザインは、
彼女の先祖である著名な
天文学者ティコ・ブラーエからのインスピレーションによるもの。
大小のパールを組み合わせることでリズムが生まれ、
パールジュエリーの着け方を再定義するような
自由さとストーリー性が吹き込まれています。
パールがまるで宇宙に浮かぶ天体のようにも見え、
ふたつのパールは親子のようでもあり、
同じ軸で支え合っているようにも見える。
くっついたり離れたり、
決して同じ道ではない
それぞれの道を歩んでいるような感じもしますね。
そんな“自分だけの物語”をイメージしながら子を思い、
いつか私から子へ譲りたくなるようなリングです。

- (left) HERMES スタッフ私物
(right) SOPHIE BILLE BRAHE ¥350,900- (tax in)
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STAFF : KAWASAKI
ギフトと一口に言っても、
贈る相手との関係性やオケージョンによって選ぶ内容はさまざま。
悩ましい存在ではありますが、
不思議と贈る側もどこか楽しいものですよね。
受け取る人の喜びや驚きが第一でありながら、
「センスの良い人だと思われたい」という、
こちら側の小さ な承認欲求も確かに孕んでいる気がします。
そんな“贈り物”のエピソードで、
毎回私を唸らせてくれる人物が身近にいます。
プライベートでも親交のある後輩で、
私は勝手に歳の離れた友人のように思っているのですが、
この彼の選ぶギフトにはいつも感心させられてしまいます。
季節外れの話になりますが、
私は夏がめっぽう苦手で、とにかく汗をかくタイプ。
おしゃれをして出かけているのに、
小型扇風機を持ち歩くのは、
どこか滑稽にも見えて、そんな自分がイヤで、
汗をハンカチで抑えて過ごす毎日にストレスを感じ、
半ば諦めのような心境で夏をやり過ごしていました。
そんな折、彼が贈ってくれたのが一本の扇子。
しかも、これがかなり由緒ある老舗で、
歌舞伎役者の御用も務める
「宮脇賣扇庵」の塗りの扇子。
最近では 〈JIL SANDER〉の
京都限定 KIOSK でも取り扱われてい名品です。

色も深い緑で、
私の好みをよく理解して
選んでくれたことが伝わってきました。
毎年 6 月頃から、
近年では 10 月末くらいまで、
私は必ずこの扇子をカバンのポケットに忍ばせています。
暑さを感じたらそっと取り出し、
静かに扇ぐ。
これが何とも“粋”で大人っぽい。
小型扇風機ではこうはいきません。
丸いヘッドを顔に向けて風を浴びている姿は、
まるで美容シャワーヘッドにうっとりしている
オジサンのようで……それだけは避けたいのです。
自分ではなかなか買わないのに、
いただくとずっと使ってしまうものってありますよね。
正に、この扇子がその代表です。
さて、季節は移り変わり、
今は気温も下がり、
ニットの出番が増えてきました。
そこで私が贈り物としておすすめしたいのが、
「自分ではあまり購入リストに入らないけれど、
もらったら確実に使う」アイテム。
ニットの毛玉取り機です。
ニットの毛玉は、
頻繁に手で毟ってしまうと
生地が薄くなる原因になりますが、
とはいえ毛玉を放置した まま着用すると
見た目が美しくありません。
適切な頻度と正しい使い方で、
ニットは驚くほど清潔に、
美しく保てます。
〈STEAMERY(スチーマリー) 〉の
ファブリックシェーバーは、
クローゼットや棚、玄関に置いても馴染む、
インダストリアルで洗練されたデザイン。
生活空間に静かに溶け込みます。
気を遣わせるほど高価ではないため、
ギフトとしても“ちょうど良い”塩梅だと私は思っています。
おしゃれ好きな方や
身だしなみに気を配るご友人・知人への
贈り物にいかがでしょうか。
気づけばずっと使ってくれている
——そんなギフトになるはずです。
- STEAMERY Fabric Shaver ¥7,700- (tax in)










