WARDROBE STORIES Ballsey LINTON TWEED COLLECTION
- 思い出が宿るお気に入りの一着は
纏うだけで自信をくれる特別な存在
わたしたちを美しく魅せるだけでなく
日々の心に寄り添い
生き方や価値観をも映し出す
クリス-ウェブ 佳子さんが出合った
ストーリーを紡ぐ一着をご紹介します
vol.01 Ballsey WHITE LINE
LINTON TWEED COLLECTION
- ツイードで彩る旅と日常のエレガンス -
written by Yoshiko Kris-webb
特別に仕立てた服への愛着はひとしおですが、特別な気分に仕上げてくれる服には、めっぽう目がない私。それから、これまた大袈裟に聞こえるかもしれませんが、私を翻弄させる服には感動すら覚えます。
服にもてあそばれたい願望があるとでも言うのかな。例えば「この服を着てどこへ行こう?」なんて、遥か異境の地へ心を馳せたり、「この服を着たらどんな出逢いがあるだろう?」と、まだ見ぬ誰かに想いを馳せてみたり。そんな風に一枚の服によって、私の未来や人生が左右されることに心躍ります。
幸運にも年明け早々、そんな服と出合う機会に恵まれました。1月上旬、タイとカンボジアへの旅行を計画していた折に、一枚の服が素敵なアイディアをもたらしてくれたのです。
タイムレスなデザインと洗練されたエレガンスを讃える〈Ballsey〉の『WHITE LINE』が何年も発表し続けている『LINTON TWEED COLLECTION』。その新作アイテム、“ Blueberry ”という愛らしい名を冠したジレのおかげで、選びあぐねていたバンコクでの最後の滞在先が即決したのでした。
そのホテルとは写真の舞台にもなっている場所。建築家、インテリアデザイナー、そしてランドスケープアーキテクトでもあるBill Bensley(ビル・ベンスリー)氏がコンセプトからデザインまでのすべてを手掛けたTHE SIAM (ザ・サイアム)というブティックホテルです。
" ホテルデザインのウィリー・ウォンカ "、または " リゾートの魔術師 " とも呼ばれているベンスリー氏は大変奇抜なマキシマリスト。そして「複雑にすればするほどシンプルになる」という到底真似できない美学を持っている憧れの人です。
「" Blueberry " を着て THE SIAM へ行きたい」
そう思った所以は、『WHITE LINE』の " Blueberry " という名のジレとビル・ベンスリー氏のホテル、バンコクにあるTHE SIAMに共通点を見つけたから。
「複雑にすればするほどシンプルになる」
素材や色など異なる糸を複数本組み合わせて、太さや形状に変化を持たせた意匠糸。それを複雑に織り上げることで完成する繊細な芸術品が、LINTON TWEED 社のなめらかなファンシーツイードです。そのファンシーツイードを使った " Blueberry " という、文字通りブルーベリーがコロコロと転がっているような表情豊かなジレが私をTHE SIAMへと導いてくれたのでした。
旅色に染まった一枚のツイードジレ。
私はきっと、この先ずっと、 " Blueberry " に袖を通すたびにTHE SIAMで過ごした美しい時間を思い出し、日常に豊かさを感じることでしょう。人生を美しく、そして豊かに生きる。それこそがエレガンスだとすれば、ときには服にもてあそばれ、旅に出るのも悪くないでしょう?
Blueberry / ¥ 88,000(tax in)>>>BUY
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クリス-ウェブ 佳子
@tokyodame
モデル・コラムニスト。
4年半にわたるニューヨーク生活で養った国際感覚と、バイヤーやPRなど幅広い職業経験で培われた独自のセンスが話題となり、2011年より人気雑誌「VERY」の専属モデルに抜擢。現在は様々な媒体で活動。
ストレートな物言いと広い見識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。 2017年にエッセイ集「考える女(ひと)」(光文社刊)、2018年7月にトラベル本「TRIP with KIDS こありっぷ」(講談社刊)を発行。二女の母。
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