‑Special Interview‑ PERHUMER H - Lyn Harris -
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Nature. This picture was taken by Jamie Stoker @jamstoker.
自然。この写真は Jamie Stoker @jamstoker が撮影。
PERFUMER H
SPECIAL INTERVIEW
〈Perfumer H(パフューマー・エイチ)〉は街や自然、季節の移り変わり、
そんな日常のインスピレーションから、科学にも通づる高い技術と世界中から厳選された上質な素材をベースに調香しています。
調香師リン・ハリス(Lyn Harris)にスペシャルインタビュー。
その魅力をお伝えします。
- 調香師 リン・ハリス。
1968年ウェスト・ヨークシャー州ハリファックス生まれ。
パリの香水学校に通い、1992年からモニーク・シュリエンガーのもとで修業を始める。
1995年、グラースのロベール社に留学し、2代目マスター・パフューマーの指導を受ける。
英国に戻り、自身のラボを設立。ビスポーク・サービスを開始。
英国では数少ない古典的な訓練を受けた調香師として知られており、リンは長年にわたり錚々たる有名ブランドの香水を数多く手がけてきた。
2015年Perfumer Hを設立。
INTERVIEW
-01. 香りはとてもパーソナルなもので、記憶に深く結びつくと言われていますが、Lynさんの一番古い香りの記憶とその思い出はなんですか
Lyn: 私はヨークシャーとスコットランドで育ちました。祖父母はアバディーンシャーに小さな農園を持っており、私は彼らと美しく長い夏を過ごしたのです。祖父母は自給自足で、壁に囲まれた庭を2つ並べて持ち、1つは野菜、もう1つは花を栽培していました。そう、家庭的で牧歌的な雰囲気の中で、2人の魅力的な人たちがいて、彼らは決してじっとしておらず常に行動していました。 目覚めたときのパンを焼く匂い、祖父の薪と道具―それが私の嗅覚を目覚めさせました。そして炭は祖父の道具であり、手なのです。その時間は、私の創作過程において非常に重要な役割を果たしています。
-02. Lynさんにとって香りはどのようなものですか?またパフューマーを目指すきっかけになったことは何でしょうか?
Lyn: 私の両親には、ヨークシャーのハリファックスで香水店を経営している友人がいました。私はそこでクリスマスシーズンにラッピングや床掃除の仕事をしていました。毛皮のコートを着た魅力的な女性たちが来店し、香水を試す姿に魅了されました、それは彼女たちを導き、変身させたのです。私は当時、自分の仕事にそれほど情熱を注いでいないことに時間を費やしたくないと思い、両親に "私は本当に香りに興味があるの"と言ったのです。
-03.Perfumer Hを立ち上げるきっかけになったことは何でしょうか?
Lyn: 私は、生命に響く美しい香りを創り出し、自然を再び香水に取り入れたかったのです。 Perfumer Hは、私のユニークなスタイルと、最高級の天然成分のみを使用するという妥協のないこだわりを反映しています。
-04.Perfumer Hのオードパルファムは詩的なタイトルが付けられていますが、インスピレーションはどこからくるのでしょうか?
Lyn: 私は名前にこだわりがあります。ワーキングタイトル、つまり名前がすべてです。自然と素材のニュアンス、名前と素材の間に自然な流れがなければなりません。
-05.とても美しい職人の手仕事から生まれる香水瓶やキャンドルカップに込めた思いをお聞かせください。また、Utilityシリーズのシンプルで簡易的なパッケージにはどのような意図があるのでしょうか?
Lyn: 人々は調香師が誰なのか、どのように作られたのか、原料はどこから来たのか、ボトルは誰が作ったのかを知りたがっています。私たちのブランドは、これらすべての要素を共有しています。 私たちは、クラフトマンシップを核とした、誠実なブランドなのです。 私は同じ志を持つアーティストと仕事をするのが大好きで、彼らは私の創造性を高めてくれます。 Perfumer Hは、このようなコラボレーション・ユニットであり、私もその一員でありたいと思っています。 調香師からガラス職人まで、ショップをデザインする家具職人から京都のお香職人まで。細部に至るまで手間を惜しまず、何よりも手吹きボトルとキャンドルの器を作り上げることは、芸術品であり、一生使用していただける芸術品(しかも詰め替え可能)となるのです。
マイケル・ルーとリン・ハリス(撮影:ジョアン・ソウザ@joaolejoy)
-06.日々の装いと香りの関係性について、心がけていることがあれば教えてください。
Lyn: フレグランスはとても個人的なものです。香りは、私たちがどんな人間であるかをあらゆるレベルで表現するものであり、私たちのワードローブに欠かせないアクセサリーなのです。そして私のスタイルは無駄を省き、繊細かつ親しみやすいということです。
-07.Lynさんのインセンスの楽しみ方を教えてください。
Lyn: 私は一日の終わり、夜も更ける頃お香を焚いて家を神秘的な香りで満たすことにとても没頭しています。そうすることで静かに眠り、美しいWOODの啓発的な空気で目覚めることができ、明日へのインスピレーションが得られます。私たちのお香は、京都の伝統的なお香職人によって作られ、1本1本手巻きで、染料、化学薬品、防腐剤を一切使わずに作られています。ヘンリー・ウィルソンは私たちのためにこの素晴らしいブロンズ製インセンスホルダーを制作してくれました。灰をキャッチして散らからない設計が施されています。
-08.インスピレーションを駆り立てられる瞬間はどのようなときですか?
Lyn: 私が作ったショップからもわかると思いますが、本、音楽、友人、毎日訪れる場所、そしてもちろん、何ものにも邪魔されない空間、そこに天国を感じています。旅をしている時の、機上で創作するのも好きです。ラ・フロマジュリー、プリムローズ・ヒル、息子や家族、犬、ガラス吹き機、ポストカードティーズの紅茶、一緒に働く人々、そして私が住んでいるエリアの共同庭園、これらすべてが私に計り知れない喜びと幸せを与えてくれ、それが私の創造性を刺激しているのだと思います。
-09.日本にいらしたときに印象的だったことや香りなどはありますか?
Lyn: 京都・・・・お寺、庭園の緻密さ、ヒノキ、クスノキ、さまざまな苔..... 東京のコンクリートに対する夏の湿気の匂いが私は大好きです。 木々やその清潔で湿度の高い匂いには、何かとても感動させられるものがあります。
-10.Lynさんにとってのパーフェクトなバケーションとそこに持っていく香りがあれば教えてください。
Lyn:私は旅行が大好きです。マラケシュでの昨年の休暇は、レモンの木々に囲まれた美しい庭園のプールサイドで過ごしました。
白いジャスミンにローズマリーの香りが漂う・・・私の嗅覚にとって完璧な瞬間でした。 持参する香りは「プティグレイン」もしくは「レモンツリー」です。
-ありがとうございました。
Interviewer
Mayumi Hirase
SUPER A MARKET AOYAMA