Side B - the essence of tomorrowland -
Interview with Douglas Cordeaux from FOX BROTHERS
何をどう揃えて提案するのか。
世界中から素晴らしいものを集めご紹介するにあたり、軸となるスタンスは最も大事な要素の1つです。
妥協のない作り、付加価値を伴う接客、マーケットを読む審美眼。
トゥモローランドが大事にしている要素を紐解いていきます。
- TOMORROWLAND バイヤー
川辺 圭一郎
プレスを経て現職はトゥモローランド メンズバイヤーを担う。カルチャー方面にも知見があり、オンオフ問わずファッションとしての本質を捉えたバイイングが信条。 歌舞伎や古典落語にも精通した、渋谷生まれ渋谷育ちという生粋のシティーボーイ。- FOX BROTHERS CEO
Douglas Cordeaux(ダグラス・コルドー)
1964年生まれ。
テキスタイルデザイナーとしてキャリアを積んだ後、2008年にフォックスブラザーズの経営権を取得。
CEOに就任し、破綻寸前だった同社の経営を立て直しに成功。
自身も「英国服地業界きっての伊達男」と知られている。フランネルの元祖として知られるFox BrothersのDouglas Cordeaux 氏を迎えて、バイヤー川辺がその魅力を紐解きます。
前後編に分けて公開されるインタビューの第一弾は、TOMORROWLANDにて展開されるFox Brothers生地を用いたアイテムを通した両社の親和性を中心に進めていきます。
マーケットを意識し、ものづくりを真摯に取り組む共通点
- ―まずは御社の生地を用いて作り上げたブルゾンを見ていただこうと思い、持参いたしました。率直な感想を聞かせてください。
ダグラスさん(以下、ダグラス。敬称略):このように素敵なプロダクトに仕上げていただき、ありがとうございます。第一印象としては、しとやかな感じがしますね。スタイルはトラディショナルで素晴らしく、モダンかつコンテンポラリーな佇まいになっているのではないでしょうか。さらに見逃せないのは細かな仕様です。ポケットやライニング、縫製面などもハイクオリティ。〈FOX BROTHERS〉が仕上がっていることが分かります。本質的な良さを理解してくださる方には分かってもらえる説得力があります。
―我々は最高の素材をきちんとアウトプットすることを大事にしています。ダグラスさんは〈TOMORROWLAND〉にどのような印象をお持ちでしょうか?
ダグラス:高いレベルでメンズファッションを体現し続けていると感じます。辛抱強く真摯にものづくりに向き合う姿勢がプロダクトの完成度に帰結しているだけでなく、提案されるスタイリングも含めて目が肥えていると思います。それは日本のファッションシーン全体に対しても同義です。目利き力が強く、中途半端な完成度では受け入れられない下地が熟成されているのでしょう。
- ―日本には温故知新という言葉があり、それは常に時代に沿った創意工夫をすることで進化させるということです。ものづくりにおいて我々も大事にしている要素なのですが、歴史ある御社とシンクロする部分もあるのではないでしょうか?
ダグラス:FOX BROTHERSは250年を超える伝統を大切にしながらも、マーケットニーズを適正に読み取りアップデートしていくことを忘れないようにしています。連綿と受け継いできたレガシーは比類なき強みですし、徒にトレンドを追いかけ回すこともしません。カスタマー視点で適宜どのようなスタンスを取るのかを注視している面も含め、我々と御社の親和性は高いと捉えています。
―そういった哲学がクラシックの愛好家だけでなく、20~30代の若いファッション好きの注目度を集めている要因なのかも知れません。
ダグラス:嬉しいことに、近年は若いジェネレーションからも支持をされるようになってきました。前述の通り歴史の深い会社ではありますが、コンテンポラリーな試みにもトライしています。単に生地を卸しているだけではなく、多くのパートナー企業と手を取り合って素敵なライフスタイルを作っていきたいと願っているのです。スポーツブランドとのコラボレーションではティーンエイジの息子が興味を持ってくれるきっかけになりましたし(笑)、幅広い年齢層の方々に愛してもらえるように継続していきたいですね。
―クリエイティビティとクラフツマンシップの両輪を持ってTOMORROWLANDとも末永くご一緒に研鑽をしていけたら幸いです。次回は我らが開催するオーダーイベントであるPERSONAL ORDERに向けて、バンチブックを見ながら話をお聞かせください。
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