Buyer's Interview / MAGNIBERG
先んじて公開してきた「My favorite MAGNIBERG」では、各界の著名人の皆様に具体的な活用シーンを通した使い勝手や使用感を語っていただきました。本稿では実際に買い付けを担ったバイヤーによる対談を通して、〈MAGNIBERG〉の魅力を深掘りしていきます。
田辺雄一郎(Yuichiro Tanabe)@yuichirotanabe1987
トゥモローランド 渋谷本店、アクネ ストゥディオス 青山、スーパー エー マーケットを経て、商品部門のバイヤーに。独自の審美眼で選びだされるアイテムは、常に業界内外で注目の的。
岡本茉莉(Mari Okamoto)@11mari06
エディション 表参道ヒルズ店にて販売スタッフとVMDを兼任後、ウィメンズバイヤーに就任。常に変化するムードを捉えたセレクトスキルや、芯のある自身のコーディネートのセンスに定評がある。
ー ライフスタイルに彩りを加えてくれる逸品
岡本:今は否が応でもコロナの影響というのはまだ残っていて、トレンドへのキャッチアップに疲弊していることに気づけたという側面もあると思うんです。
田辺:確かに、より本質的で根源的な要素に向き合わざるを得ないフェーズに入った感はありますよね。
岡本:世界的なムードというか潮流もそこへの再認識が進んでいる前提がありつつ、〈MAGNIBERG〉はウェアを中心としたファッションからの切り口というより、ライフスタイルの質を上げる時間軸で動いている印象から入りました。初見のパリではガーデニングの風景を通したプレゼンテーションなどもあり、直感として惹かれる引力が強かったです。
田辺:ぼくも最初、30メートル離れた場所から見て「いいなぁ」と感じさせるインスピレーションがありました。近寄って実際に触れてみると、その心地良さはペルー産のベビーアルパカならでは。プロダクトとして感動を喚起させてくれる何かがあるのか、は今も昔もバイイングにおける大切な部分ですが、申し分ない完成度でしたね。
岡本:素材に対する探究心がすごい。それは直接、肌に触れるものをずっと作ってきた人たちだからこそ。伝えきれないのがもどかしいですが、巻いた時の気持ちよさは格別です。日々の暮らしに彩りを加えてくれるポテンシャルを備えた、上質なライフスタイルを送ることができる逸品だといえるでしょう。
ー 伝統とモダンの両立
田辺:スコットランドでは家紋のように扱われている伝統的なタータンチェック。連綿と受け継いできた安心感がある反面、どうしても鮮度が薄れてしまう部分とトレードオフになるのを許容してきた柄といえます。なのに〈MAGNIBERG〉は過不足のない絶妙な配色で、その二律背反を成し遂げている点にも驚きました。
岡本:それはデザイナーの1人がフローリストだというのも関係しているのでしょうね。自然界にある森羅万象はそのどれもが実はかなり独特な配色や形状をしているもの。そういった人工的でないものに触れている時間が多いからこそ、独自の美的感覚が養われているような気がします。
田辺:確かに。野暮ったく見えるリスクのあるタータンチェックを洗練されたものにする手腕に感服します。普遍的なものにモダンな要素を少し加えることで、身に着ける人を選ばない仕上がりへと昇華させていますね。老若男女を問わず、日常を格上げしてくれるポテンシャルの高さは大きな魅力です。
ー 巻く人を選ばない、懐の深い完成度
岡本:今回はブランケットで展開されていたプロダクトを、マフラーサイズに別注しました。より多くの方へデイリーにこの肌触りを味わってもらえたら、という思いが根幹です。田辺さんが言うように、オーセンティックなのに今日的で、エイジレスに愛用してもらえるものに仕上がりました。いつものスタイリングに加えるだけで、印象がとても洗練されたものになるパワーがあります。大事なパートナーや家族でシェアして巻いてもらうのも良いでしょう。
田辺:どのようなファッションテイストの方にも合わせやすい懐の深さがありますよね。ベースは正統派なので、例えば〈BUNNY〉のバッジやスタッズを付けてアレンジしても収まってくれるという。防寒といった実用面はもちろん、多様化する嗜好性にもフィットするので重宝するに違いありません。これからのギフトシーズンにも最適なチョイスかと思います。
岡本:専用のボックスに入れられているのもギフト向きですね。誰にでも喜ばれるものなので強くおすすめです。
田辺:一過性のアイテムではないので、それぞれの楽しみ方ができてロングスパンで愛用可能なのも嬉しいポイントではないでしょうか。ケアの方法も、大事にドライクリーニングするのもよし、手洗いで風合いを出していくのもよし。手にとっていただけたら、プロダクトとしての説得力を理解してもらえるに違いありません。