TOMORROWLAND

Side B - the essence of tomorrowland -


  • The STANCE


  • 何をどう揃えて提案するのか。
    世界中から素晴らしいものを集めご紹介するにあたり、軸となるスタンスは最も大事な要素の1つです。
    妥協のない作り、付加価値を伴う接客、マーケットを読む審美眼。
    トゥモローランドが大事にしている要素を紐解いていきます。

  • TOMORROWLAND バイヤー
    川辺 圭一郎


    プレスを経て現職はトゥモローランド メンズバイヤーを担う。カルチャー方面にも知見があり、オンオフ問わずファッションとしての本質を捉えたバイイングが信条。 歌舞伎や古典落語にも精通した、渋谷生まれ渋谷育ちという生粋のシティーボーイ。


  • トゥモローランドは、移りゆくトレンドや世界情勢の中で妥協のないものづくり哲学を標榜してきました。
    オリジナル商品はトライ&エラーの繰り返しで今も精度を上げ続けています。
    そんな開発過程において重要なのが、同じ志を持ったパートナー企業との関係性。
    今回はトゥモローランド メンズバイヤー 川辺のナビゲートで、リニューアルするスモールレザーグッズにおける開発秘話をご紹介します。


  • 良いものを長く使うという価値観


  • ―本日は我々が新たに打ち出す革小物を中心にしたラインナップについて、生産を担っていただく〈BROOKLYN MUSEUM〉の草ヶ谷社長にお話を伺います。よろしくお願いします。

    草ヶ谷さん(以下、草ヶ谷。敬称略):こちらこそよろしくお願いします。この度は個人的にも愛用させていただいているトゥモローランドさんとの久しぶりな取り組みですので、社員一同とても気合いが入っていますね。

    ―改めてとなり恐縮ですが、御社の大事にされてきたことや強みなどを読者の方にご紹介いただけたらと思います。

    草ヶ谷:1979年に創業し、ソックス作りから始まったものづくりは紆余曲折を経て、およそ20年前からレザーアイテムに特化していきました。ファストファッションのトレンドが世界を席捲した時に、「安くてそれなり。大量生産と廃棄」という流れに傾いた際に危機感と違和感を感じたのが契機だったかと思います。このままでは、日本のものづくり文化が衰退するかも知れない。我々が得意としてきた皮革製品のクオリティ追求を強めて、良いものを長く使うという価値観を浸透させていく決意を再認識しました。日本の伝統である着物や金継ぎのような「繕い直す文化」、そしてアートコレクターであった創業者の「遊び心」をプロダクトに昇華させること。この2つの文化を大事にするスタンスが強みではないでしょうか。

    ―トゥモローランドでも歴代のバイヤーがお世話になり、2003年に共に作り上げたコードバンシリーズは大好評を博しましたね。御社とはものづくりマインドだけでなく、カルチャー的なバックボーンにシンパシーを感じます。実直に創意工夫を怠らずに製品の質を上げていくだけでなく、どこか遊び心や粋な要素を入れ込む緩急のサジ加減が共通している気がします。

    草ヶ谷:おっしゃる通りですね。素材、縫製はもちろん、配色にも独自性があるところは特にそう感じます。大真面目にモノの良さを追求する一方、インディペンデントなアプローチを施すことはオリジナリティにおいて重要ですから。

  • 念を引く、ということ


  • ―ウェアーを企画する際に、トゥモローランドは過去のアーカイブから着想したアイデアを具現化するために多様な手法を試してきました。レザーグッズにもそういった温故知新な部分はありますか?

    草ヶ谷:基本的に我々はリペアを施しながらずっと継承して使い続けてもらえるような作りを実践しています。細かい部分を挙げていくとキリがないのですが、貼り合わせて縫合された革同士の密着性を高めるため、縫製とコバの間に熱ゴテを当て、そのコバに平行して施す細い溝のことを「念」といいます。その念を入れる作業を「念引き」と呼ぶのですが、「念には念を入れる」という意味合いも含まれています。全ての工程、ディテールには理由があり、気づかれないような部分にまで手を抜かないのが職人の心意気ですね。先人たちが培ってきた技術を会得し、新たな手法を試すことは現役世代が担うべき責務ではないでしょうか。

  • バリエーションの拡大で文化度を深める


  • ―今回はファーストコレクションということで、まずは普遍的なラインナップになりました。今後はどんな展開をしていきたいとお考えですか?

    草ヶ谷:クオリティコンシャスなものが増え、それを大事に使ってくださる人が増えると、大げさな話ではなく日本の文化度が上がると思うんです。嘘偽りなく魂を込めたものづくりに共鳴共感してくれる方が一人でも増えてくれるよう、たゆまぬ研鑽を続けていきます。トゥモローランドさんとであれば、思いもよらないアイディアや、ファッションとしての深化も共に高められるに違いありません。

    ―愛好家と共にバリエーションも増やしていきたいですね。

    草ヶ谷:アイテムの幅は広いですし、レザーの種類や染め方などのノウハウも多様なストックがあります。エイジングをお楽しみいただけるのも強みですので、オンとオフで高品質かつ洒脱なラインナップに派生させていけたら嬉しいですね。
  • Left : Mini snap wallet ¥27,500(in tax)
    Right : Zip wallet ¥36,300(in tax)
  • Left : Card case ¥24,200(in tax)
    Right : Slit card case ¥24,200(in tax)

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