Edition

Interview with Dominik Tarabański



  • ニューヨーク発のジュエリーブランド〈Gentle Storm(ジェントル・ストーム)〉のクリエイティブ・ディレクターを務めるDominik Tarabański(ドミニク・タラバンスキー)とのリミテッドフォトTシャツをエディション全店で発売いたします。

  • Limited Photograph T-shirt
    SIZE: S, M, L
    ¥15,400 (tax in)


  • 今回の発売に際し、ジェントル・ストームのイメージヴィジュアルを自ら手がけ、アーティストとしても世界的に活躍するドミニク本人に、自身の生い立ちやアーティストとしての活動、今回のコラボレーションに至るまで、インタビューを通じ貴重な話を聞かせていただきました。

  • まずは自己紹介をお願いします。

    私の名前はドミニク・タラバンスキーです。ポーランド生まれのヴィジュアル・アーティストで、世界的に有名な映画・撮影監督や写真ディレクター達を輩出した、ポーランドのThe Polish National Film Schoolに通い、シネマトグラフィー学科で写真を通した映像的な言語表現を学びました。私の作品は世界の30以上のギャラリーで展示され、フランス・アルルのGalerie Open Huit Salonのファイナリストにも選ばれました。ほとんどをポーランドのクラクフという街で過ごし、ニューヨークに移り住む前の5年間はクラクフ、ウッチ、 ワルシャワの三都市で活動していました。


    なぜ拠点にニューヨークを選んだのですか?

    ヴィジュアルランゲージが常に私の表現の自然な選択肢だったので、ニューヨークという街に移り住もうと決めたことはごく自然なことでした。卒業式の2日後、自分の知っていることを全て捨てて、ニューヨーク行きの飛行機に乗っていました。


    ニューヨークでの活動でターニングポイントとなる出来事やきっかけはありましたか?

    引っ越した時は飛行機のチケットと、写真だけに集中するという究極の目標以外、誰一人として知っている人はいませんでした。思い返せばそれは素晴らしい学習のプロセスで、当時私が学んだアーティスト達の展示を自分の目で見れた興奮を今でも覚えています。その直後、自身の写真の見方を変えた数々のアーティストを抱えるエージェントと契約を結ぶことができたのです。

    ターニングポイントが何だったかを考えると、自分が常に何かを求め、より学びたいと思う気持ち、自分をさらに超えようと思う気持ち、特にニューヨークという街では常に自分を磨き続け、突き進むことではないかと思います。現在はアーティストとしてポーランドのLeica Gallery Warsawに所属し、自分の作品が世界中のあらゆる場所でプライベートアートコレクションの一部となっていることを考えると、少し信じられません。


    あなたの作品(Photography)からはアートとファッションの2つの要素を感じられます。ご自身のクリエイティビティを表現するときに、何か意図があるのでしょうか?

    私たちは常にミックスカルチャーの中で生活していて、アートとファッションの近さ、そして写真という共通点が印象を強くさせているのは当然ですが、そのプロセスが常にここに存在しているのだと思います。私は写真が大好きですが、音楽が大好きであることと同じくらい明確で、どちらかと言えばまだあまり定義されていません。知識が増えるほど、努力するほど、周りへの認識が高まり、表現がより豊かになるのは自然なことだと思います。これらを賢明かつ意識的に使用することで、私にとって興味深い状況を作り出すことができます。私の知識がアートとファッションに利益をもたらすと信じており、それが私の視覚言語をより複雑で興味深いものにすることを願っています。


    インスピレーション源や影響を受けたアーティストは?

    間違いなく人です。それは特定のアーティストというより私の周りにいる人たちでしょう。人々の性格、情熱、決意、創作意欲そのものが、最も強力なインスピレーションとなることがあります。他のアーティストのクリエイティブや、業界の境界を曖昧にし文化を前進させる非凡な存在に囲まれていること。世界的に有名なファッション ディレクター、ダンサー、振付師、画家、写真家、詩人、作家、建築家、クリエイティブ ディレクター、彫刻家など、例を挙げるときりがありませんが、彼らがコミュニティにもたらす変化はそれ自体を物語っています。感動的ですよね!


    Gentle Stormをスタートするきっかけとなった決定的なことは?

    人生のほとんどの決断と同様、このプロジェクトに参加することも、好奇心と直感に基づいた決断でした。パリで初めてパートナーのモニカ(*Gentle Storm デザイナー)に会ったとき、何かにピンときました。モニカの魅力や非の打ちどころのないセンス、何十年もの素晴らしい経験がインスピレーションを与えてくれました!このクリエイティブなロマンスは、パリとニューヨークという2つの都市間で自然に始まり、私たちの経験が互いを補完し合うことに気づいたとき、やってみる価値があると明確になりました。


    ユニークな形状が特徴的で時に人を選ぶ場合もあると思いますが、このようなデザインにしている意図はありますか?

    その通りです!形(*=デザイン)を考えるとき、シンプルなほど一つひとつの細部が重要になります。必要のないものは全て取り除きながら、本質を見極めて純粋で有機的な形を追求していきます。ヨーロッパには最高水準の専門知識を備えたジュエリー製作の長い伝統があり、私たちのジュエリーは熟練した情熱的な職人によって手作業で作られています。彼女の直観的なプロセスやセンスをもとに必要な限りディテールを話し合い、自問自答しながら最終的に私たちが見える形につながります。それぞれのジュエリーの形は、私たちが好きなものと、そうでないものを定義する長いプロセスの最終的な反映なのです。それは直感的なように意図的で常に正直です。


    どういう人につけてほしいですか?

    考える限り特定の人のイメージはなく、どんな人が身につけてくれるか、想像力を働かせるのが大好きです。ブランドのスタート当初は、センスや実績のある尊敬する友人たちが自然に集まってくれました。私は、彼らにGentle Stormを知ってほしかったのです。 今日、私たちのジュエリーを身に着けている人たちのスペクトルを見て、私は驚きました!美術館の館長、スケートボードのオリンピック選手、有名な彫刻家、国立バレエ団のダンサー、私の大好きな画家、クールな若者たち、ラッパー、外交官、そしてアートやファッションに関わる人たちなど、その幅はとても広いです。なんとも言えない気持ちになりますね!もし彼らに共通点を見出すとすれば、「素晴らしいセンス」「クオリティの高さ」「大胆さ」「自分を表現することが好き」ということでしょうか。そして彼らはいつもそれを自然で気品よく行っているのです。


    今回のプロジェクトの話を聞いた時どう感じましたか?

    とてもわくわくしました!Tシャツはその中に込められたメッセージを伝えるプラットフォームとして、重要な役割を担っています。お気に入りの音楽バンドとの繋がりから、政治的主張、大好きなブランド、さらには宇宙の片隅へバケーションに行った時のお土産まで、私たちは皆Tシャツを着たり読んだりしますが、文化や枠に捉われずに考えてみるとそれは驚くべきことです。誰もが別の大陸への休暇中にクールなヴィンテージショップで購入したり、eBayで探したり、初めて訪れたパリの高級ブティックで見つけた30年前のTシャツを、少なくとも1枚は持っていたり目にしたりしています。今回のプロジェクトによって、私の愛するニューヨークの一部を日本の皆さんと共有できること、そしてそのすべてを細部へのこだわり、タグを含む隅々に至るまで愛を込めてデザインされた超限定版のTシャツで提供できることにとても興奮しています。


    NYの街並みや日常を撮影していただきましたが、テーマはありましたか?

    私は写真を手紙のように考えるのが好きです。あるいはポストカードを想像すると、それがどこから来たのか明確に認識できます。それを考えるような感覚でしたが、もう少し抽象的に、スカイラインを示すよりも形やパターン、テクスチャー、スケールを探求したかもしれません。


    今回Tシャツになる5枚のうち一番のお気に入りはどれですか?

    それは難しい質問ですね。あえて選ぶなら真夜中に撮影された、ぼやけた一時停止標識のある写真が好きです。おそらく、私たちが自分のやっていることに情熱を持っていれば、止められないと信じているからかもしれません!


    撮影中の記憶に残っているエピソードがあれば教えてください。

    Tシャツのデザインとなったすべての写真は友人と一緒に撮影したもので、ご存知のように友人たちは私の創作において重要な部分を占めています。このクリエイティブな旅のほぼ最終段階を彼らと共有することは、非常にやりがいのあることでした。過去に何度もあったように、私が何かプロジェクトをするとき、数人の友達はすでに知っている人もいましたが、このプロジェクトがリリースされると同時に驚く友人はまだまだたくさんいるでしょう!待ち遠しいです!


    <今考えている新たなプロジェクト>
    Gentle Stormだけに限らず、そのほかのプロジェクトなど回答できる範囲で教えてください。

    私たちはサプライズが大好きなのでまだ極秘ですが、前回の展覧会「Roses for Mother」の視覚的言語の探求を継続する、別の個展に取り組んでいることはお伝えできます。また、とてもエキサイティングな人たちと私の新しい写真集を制作するという名誉な企画もありますし、複雑なクリエイティブ戦略の責任を負っている、ユニークなファッションプロジェクトに参加出来る喜びもあります。忙しい夏になりそうです!

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