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about ACRONYM

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    about ACRONYM

  • 〈STONE ISLAND SHADOW PROJECT〉〈NIKE ACG〉のデザイナーを務め、「ゴアテックス」社のアドバイザーも務める〈ACRONYM〉のデザイナーERROLSON HUGH氏にインタビューをさせていただきました。
    ブランドを始めた当初の話・興味を抱いているカルチャーなど、今回もインタビューの中でしか聞けない貴重な話を聞く事ができました。

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    1995年、デザイナー エロルソンとパートナー ミケイラの2人がドイツを拠点にスタート。
    ミリタリー・アウトドア・スポーツのテイストにゴアテックス素材など機能性を考慮したアイテムをラインアップ。

  • からっとした空気が秋を感じさせる天候の中、エディション 表参道ヒルズ店にてインタビューをさせていただきました。

  • ―ファッションブランドとは一線を画す〈ACRONYM〉ですが、ブランド設立のルーツなどあれば教えていただきたいです。

  • エロルソン:最初はデザイナーとしてアウトドア・スポーツウエアなど色々な仕事をしていたよ。

    その中で、様々なテクノロジーや可能性があることに気づけたと同時に、なぜ毎日着る服にそれらが活かせないのかと日々フラストレーションを感じていたんだ。

    実験的にそういった技術や素材を使いながら、アイテムに落とし込み提案したがどのブランドにも、高過ぎる・これを着る人が想像出来ないという理由で「NO」と言われたよ。

    だから自分で始めるしかなかった。

    当初想定していたより大変な思いをしたけどね。

  • ―幼少期の頃に習った空手がブランドに大きな影響を与えていると以前インタビュー記事を見て知ったのですが、具体的にどんな箇所にそういった要素を散りばめているのですか?

  • エロルソン:空手は10歳の時に始めたんだ。

    その時に空手着の着方・畳み方・それをどうやって持ち運ぶかという部分まで学んだよ。

    その時に気づいたことは、空手着(特に)のパンツは、普通のパンツに出来ないことができると気付いたんだ。

    それから母に連れられて服を買う時には、実際に試着してみて足を動かすことに不自由がないパンツかどうか見定めてから買うようになっていったよ。

  • ―無駄を削ぎ落としていくことを美としている印象なのですが、最終的にどんなプロダクトを生み出したいとお考えでしょうか。

  • エロルソン:なぜそういったアプローチになるかというと、見掛けの問題・機能の問題・工場の問題・マテリアルの問題などあると思う。

    5年、10年着たらどうなるか?この使い方をしたらどうなるか?最初に作る段階ですべて予測できるわけがないから、統合的に改善をしていこうと考えるとそのアプローチに終わりはないんだ。

  • ―追求し続けるということですね。

  • エロルソン:アクロニウムのファンには、そういった哲学や信念・過程を理解して着てくれている人もいると思うけど、パッと見たり着ただけでは普通は理解できないよ。

    そういうところにエネルギーを費やしていくことが、価格が高くなってしまう最大の理由ではあるけれども、それをやっているブランドはあまり他にはないし、それがブランドの個性だと思っているよ。

    もし、同じようなアプローチで展開しているブランドがあるとすれば〈ARC’TERYX VEILANCE〉くらいかもしれないね。

  • ―エロルソン氏が求めるファッションスタイルやご自身のブランドをどのように着こなして欲しいなどあれば教えてください。

  • エロルソン:一般的な〈ACRONYM〉のスタイルというよりは、個性のある着こなしや僕自身が驚くような着こなしをして欲しいと思ってるよ。

    耐久性があり古くなり過ぎない、ずっと着られるような服を作っているつもりだから、レザーアイテムやミリタリーのM-65のように定番のアイテムとして使ってもらえることが良いかな。

  • ―エロルソン氏から見たエディションはどのように写っているか教えてください。

  • エロルソン:昔ながらの形式に拘り過ぎず、洗練されていて色々な物がミックスされているところが面白いと思うよ。

    “洗練されている”というお店は、とかくクラシックやトラディショナルに偏り過ぎる傾向があると思っているけど、それらを大切にしながらも、様々な要素をミックスし、その上で”洗練されている”と感じられることがとても良い。

    流行りの物ばかりを集めたお店とは違うのは、それぞれのブランドや洋服そのものの進化やプロセスを理解した上でそれらを取り入れてる点だろうね。

    〈ACRONYM〉も日本で12年ほど続けているけど、最初は理解してくれなかった。

    消費者よりお店が理解してくれないと伝わらないけど、エディションはそれを理解してくれていると思ってるよ。

  • ―今後、エディションに期待することや一緒に取り組みたい内容などあれば教えてください。

  • 今までと同じようにルーツを理解しながら、洗練されたミックスを作っていく姿勢を続けて欲しいね。「BLAME!」のTシャツを以前エディションと取組んだよね。

    実は〈ACRONYM〉の歴史の中で、小売店とコラボして商品を作成・販売したことはそれ以外にないんだ。
    現状ではエディションとの取り組みが唯一のケースなんだ。

    だからまたあんなことができると嬉しいよね。

    もっと〈ACRONYM〉が大きくなったタイミングで何か取り組めることがあると良いと考えているよ。

  • ―空手やアニメーションなど日本の文化に造詣が深いですが、それらに触れるようになったきっかけは何でしょうか?

  • 僕が7歳の頃、父の友人のヨシに出会ったことがきっかけかな。

    その人は白い紙いっぱいに自分の名前を書いたんだ。

    (おそらく習字みたいなこと)

    それを見てこの人は何か違うと子供ながらに思ったことがきっかけかもしれない。

  • ―日本の文化で面白いなと感じているものは?

  • たくさんあるよ。でもアニメーションの「AKIRA」かな。まだ日本にきたことがなかった頃、日本に行った友達が海賊版の「AKIRA」のビデオテープを持ち帰ってきてくれて、みんなで繰り返し見たよ。

    字幕もなければ吹き替えもないので、何を話しているのか分からないけど、面白くて繰り返し見た記憶があるんだ。

    4ヶ月前にカニエ・ウエストにベルリンであった時に話したんだけど、彼の中での一番のカルチャーショックは8歳の頃、母に連れられて劇場で見た「AKIRA」だったって話をしていたよ。

    そのくらい「AKIRA」は衝撃的だったのかもしれないね。

    もちろん、「AKIRA」だけじゃなく、食べ物や建築物など全てにおいて日本の影響は多大だと思う。

  • 大きな体からは想像がつかないほど、物腰の柔らかさが印象的なエロルソン氏が印象的でした。

    プロダクトに対して妥協を許さない姿勢・それには幼いころの経験による裏付けがなされていること。

    結果として唯一無二のアイテムが世界中のファンを魅了し続けていることが分かるインタビューでした。

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