about FUMITO GANRYU
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about FUMITO GANRYU
今回は、自身の名を冠して2018年にファーストコレクションを発表した〈FUMITO GANRYU〉のデザイナー丸龍文人氏にインタビュー。
ブランド立ち上げの経緯や、20SSコレクションに関する内容などについてお話を聞かせていただきました。
- ーコムデギャルソンで、3年間パタンナー、9年間デザイナーを務め、〈FUMITO GANRYU〉をスタートしましたが、ブランド立ち上げの経緯など教えていただけますか。
新しい生活を始めた際、最初からファッション・ブランドをやるつもりはなかったんです。
まず、一人で出来ることは何だろうと考えた時にファッションではなかったのも理由のひとつかもしれないです。
ファッションから約1年半離れ、ファッションとは違った表現が出来ることを知り、その経験が今に活きていると感じる部分もありますね。
出来るなら今後もファッションに携わっていきたいと考えてた時に、多くの出会いのお陰で自分が想定した以上に早く現在のファッションブランドを立ち上げることになりました。
- ー12年間の中で学んだこと・今に活かされていることなどはありますか?
ありとあらゆることを学びましたね。
学生の頃は服を作ることにそれなりに自信があったのですが、学生から一変、世界レベルの企業に入社したので入社当初は全く通用しませんでした。
そこで諦めるか、壁を乗り越えていくかの選択になると思うのですが、僕は常に後者を選び続けるよう心がけています。
どう乗り越えるか、諦めずに工夫しながら繰り返して行くこと、それが今自分にも繋がっているように思います。
- ーファッションに芽生えた瞬間はどのタイミングでしたか?
ファッションをどう捉えるのかにもよるかもしれないですが。
幼少期の頃からストーリーのある絵を描くことが好きで、その世界観の中で登場人物が身に纏うものを考え、描くこと。
思い返して見ると一番最初に服を意識するようになったのは、絵を描くことがきっかけだったかもしれないです。
ファッションと言って良いのかは分からないんですけどね。
- ーSS20コレクションで3シーズン目を迎える〈FUMITO GANRYU〉ですが、SS20のテーマやインスピレーション源などあれば教えてください。
20SSに限ったことではないのですが、ブランドを通して表現したいことは、いかに必然性のある服を作るかです。
ファッションから離れた1年半があったので、自然とそれをファッションで表現したいと思うようになりました。
しかし、経験上ワンシーズンだけではそれを伝えきるのが難しいので、ファーストシーズンからその目的に向かって線になるよう点を打つ作業をしています。
その中でも3シーズン目では、今の時代、人は何に不満を抱いているのかを表現しました。
先進諸国の中で窮屈に感じる部分。
所謂、監視社会。
そのキーワードを元に表現したシーズンですね。
- ーコレクション毎に色使いなどが変わる印象があるのですが、20SSコレクションのキーカラーなどがあれば教えてください。
キーカラーは「地球上に存在する色」です。
人によって連想する色は違うと思いますし、このコレクションではキーカラーがこの色、と思われないことを表現したかったんです。
展開するコレクションの中には、僕は「性別ゼロ」と呼んでいるユニセックスのアイテムもありますが、メンズコレクションで展開しているので、男性の服がメインになります。
男性に向けたファッションは、色合わせや素材合わせなどルールに縛られがちですよね。
服に精通すればするほど、そのルールの中に縛られてしまうと思うんです。
僕は以前からその事に辟易していまして。
ファッションに精通している人がどうしたら型やルールから解き放たれるのかを考えた時に出てきたのが「景色を纏う」こと。
景色には理由が無いですから、その事が結果的に免罪符となり、自由なファッションを楽しめるんじゃないかと考えたんです。
今シーズンのグラフィックでは、トップスには上空で起きていること、ボトムスには地上で起きている情景を転写しました。
それらをモンタージュし、お客様が思い思いに景色を作り出し、纏い、実際にその場所を探しに行く事。
それが監視社会からのエスケープに繋がると考えました。
そうしたら自然と電波の届かないところに行きつくんじゃないでしょうか。
僕自身も旅に出るのが好きで、繁忙期でない時は基本的に都会にはいません。
文明の利器から離れることで、五感が敏感になって、考え方がよりシンプルに纏まる。
そういった感覚が都会以外の場所にはあるように思います。
- ーエディションでも入荷後すぐに反応があり、改めて丸龍さんのデザインに魅了されているファンの多さに驚きました。
今後、挑戦したいことなどあれば教えてください。
「21世紀に必要な服を届けること」です。
その為にひとつひとつの点の解像度を上げ、魅力的なストーリーを作り上げていかないといけないですね。
僕自身がそうなのですが、不意に今、何を着たら良いか分からなくる時があります。
そのタイミングでも選びたくなる、普遍性のある完成度の高い服を作りたいですね。
良い古着になって欲しいと思いながら服作りに向き合っています。
時を経て向き合った時に、含蓄が散りばめられた服だと改めて気づくことができる服は興味深いですよね。
- ーブランドスタート時から取扱いをしているエディションですが、丸龍さんから見たエディションはどんな印象でしょうか。
エディションが掲げるコンセプトに共感できることはブランド設立当初から感じています。
店頭や内装などからコンセプトの完成度を感じますね。
言葉を選びながらお話してくださる丸龍さんの姿がとても印象的でした。
クリエーションへの拘りや、改めてファッションが意味することなど、考えるきっかけになりました。
20SSコレクションのアイテムも入荷次第店頭にてお試しください。