TOMORROWLAND 2025 fall & winter Preview
トゥモローランド 渋谷本店にて7月24日(木)〜7月27日(日)まで、
『TOMORROWLAND 2025 Fall & Winter Preview』を開催いたします。
期間中は、2025年秋冬のインポートアイテムを中心にサンプルを豊富にご用意し、ご予約を承ります。
一足早く新作をご覧いただける特別な機会となっております。
スタッフ一同、心よりご来店をお待ちしております。
ITEM STORY
新しく買い付けを始めたブランドを中心にバイヤー川辺に、次シーズンに向けての匂いを語ってもらいました。
JAN MACHENHAUER
世界的にも評価が高いフランスのストール・ブランドである〈EPICE〉のクリエイティブディレクターとして立ち上げに参加し、現在もそのすべてのデザインを統括していることで知られるジャンによってデビューしたブランドが〈JAN MACHENHAUER〉。北欧デンマークにて1981年から真摯なスタンスで創作活動を続けています。実用性に特化することで際立つワークウェアの機能美に、彼ならではのヨーロッパ的な視点というフィルターでモダンに魅せる手腕が突出しており、洗練された一枚に仕立てるバランス感覚には驚きを隠せません。そのセンスだけでなく、クオリティの追求に対しても創意工夫を繰り返すストイックさで知られ、インドで作られるプロダクトの実現には、現地で継承されてきた熟練のテーラリング技術が不可欠。彼が求める高いレベルをクリアしていくことで、経験値と共に縫製技術が向上し、職人との理想的なサイクルを盤石にしています。また、普遍的なデザインをベースに高い質も備えていながら、比較的プライスが抑えられているのも嬉しいポイント。着用することで完成する構築的な〈JAN MACHENHAUER〉は、気負いなく取り入れやすいという意味でも要注目です。
erEvan
クリーンで肩ひじ張らないリゾート感を今の空気感で表現するのが〈erEvan〉。南仏サントロペの洒脱なスタイルをメインに、セルジュ・ゲンズブール、アラン・ドロン、マティスなど、多くの芸術家たちが育った土地の文化や服装からインスピレーションを受けたコレクションを展開するこちらもTOMORROWLANDとの親和性が高いブランドです。デザイナーをはじめとするクリエイティブチームは20代がメインであるにも関わらず、歴史や技術に対する探究心が強く、エイジレスな魅力に溢れています。トラッドマインドをベースに、エレガンスやポップさを散りばめるスタンスには共感する部分が多く、認識のすり合わせもしやすかったですね。パリ五輪において衣装協力にも名を連ねた手腕は認められており、古き良き時代の遺産めいたファッション文法をモダンに咀嚼するセンスは抜群です。渋谷店のみでの展開となりますが、懐古趣味に陥る方向性ではない説得力のあるアイテムが揃いました。ぜひ店頭で、その世界観を体感してみてください。
Brady
センターピースのアイテムたちを彩る名脇役として、バッグにもこだわりを込めました。依頼したのは1887年にイングランドのバーミンガムで創業され、実用性を追求したガンバッグからスタートし、ハンティングやフィッシング用に様々なプロダクトをスポーツシーンに提供し続ける〈Brady〉。オマーン君主やウェストミンスター公爵のような王族やセレブリティの為に作成された過去からも分かるように、ラギッドな機能美の中にも洗練された空気感を匂わす唯一無二の存在です。ベースに選んだのは「LEVEN」と呼ばれるバケットバッグで、非常にシンプルなデザインが特徴の名品となっています。このモデルを普段使いに最適な大きさにすべくサイズダウンし、同社の特徴的な素材であるドリルドロップ生地の表情に奥行きをもたせるため、通常とは逆の裏地使いで新たな魅力を引き出しています。英国らしいブライドルレザーを採用したベルトは、長さを調整することで肩掛け・手持ちのどちらにも対応可能。実用面においても抜かりはありません。繰り返しになりますが、ニューイングランドの匂いが今季ディレクションにおける軸の1つ。そこに自然と馴染む佇まいも選定理由のひとつです。
Harry Mundy
今シーズンにおける思想性の最深部ともいえる存在、〈Harry Mundy〉です。2023 年にビスポークの仕立屋として自身の名を冠して始動し、ブリティッシュテーラー本流の系譜を引き継ぎつつ、カウンターカルチャーとしてのそれも同時に感じさせてくれる稀有な存在です。かつてサヴィル・ロウでビートルズのスーツを仕立てていたトミー・ナッターの流れを汲むとも言われ、〈Vivienne Westwood〉でメンズウェアデザインマネージャーを努めた経験からも、アバンギャルドでパンクなマインドも持ち合わせている事が感じ取れます。こだわりの強さは創作にも現れており、ロンドンにあるアトリエにて一人で縫い上げるために大量生産は不可能。使用される生地は英国内にあるデッドストックのものを中心に、小規模なミルやマーチャントから調達しています。連綿と受け継がれてきた英国のカルチャーに、モダンで新たな解釈を入れ込むセンスは随一ではないでしょうか。服に向き合う真摯な姿勢と、そこに内包された意義深い思想が〈Harry Mundy〉の真骨頂と言っても過言ではありません。伝統的な職人技と現代的なデザイン言語、高尚さを匂わす意匠と、デイリーに着倒せるフィット感、そして英国らしい堅牢感とアノニマスな普遍性。一見すると相反するこれらの要素が高次元で両立し、見事なバランスを成しているのです。
EDWARD GREEN
言わずと知れたイギリス靴の聖地であるノーサンプトンにて1890年に創業されたシューメーカーで、英国の気品を保ったスタイルを最高級レベルの素材と技術で提供し続ける老舗。ブリティッシュの伝統を体現し続けているがゆえに、ある種の凝り固まったパブリックイメージがあるのですが、実は非常に柔軟で時代感を巧みに捉える意欲も強いことは意外と知られていません。今回は別注も依頼しており、アンライニングの柔らかい1足に仕上げました。育てる、と称されるほどに慣らすまでの苦行が当たり前だと思われがちな同社。その価値観も大切にしつつ、カジュアルにも視野を広げています。見た目の重厚感は保ちながら、ドレス以外にもコーディネートできるものとなりました。デニムはもちろん、スウェットパンツにもフィットする汎用性は説得力も抜群。イギリス靴らしいロングノーズな意匠は、流行しつつあるフレアパンツとも好相性です。コンフォートでエフォートレスに寄せた近年の流れに迎合するのではなく、自らが大事にしてきた伝統に今のニーズを投影させる匙加減がさすがだと感じました。