hinok special interview
Special interview for hinok
私たちの日常に、静かに寄り添うライフスタイルエチケットブランド〈hinok〉。
ファウンダーであるパク・ソヒ氏のスペシャルインタビューを通じて
〈hinok〉に込めた想いとその魅力を紐解きます。

- hinok ファウンダー パク・ソヒ
化粧品業界で19年のキャリアを持つ。
キールズでのマーケティング経験と、
アモーレ・パシフィックでの商品開発経験を経て、
自身のブランド〈hinok〉をローンチ。
INTERVIEW

これまでの歩みと、hinokというブランドに辿り着くまで
hinokを立ち上げるまでのキャリアと、そのきっかけについて教えてください。
私は19年間、化粧品業界でキャリアを積んできました。 ブランドをつくりたいと強く思うようになったのは、キールズでマーケティングマネージャーとして働いていた時です。 当時、160年の歴史を持つキールズが、時間をかけてブランドを育て、価値を積み重ねていく姿を間近で見ました。 韓国にも、長い時間軸で愛されるブランドがあったらいい。そう思うようになったのです。 その後、ブランドづくりの基礎となる「ものづくり」を学ぶため、アモーレ・パシフィックに入社、6年間商品開発に携わりました。 〈hinok〉というブランドを考え始めたのは、母親になってからでした。 妊娠していた時期は、人生や価値観が大きく変わったタイミングでもあり、パンデミックをきっかけに、 「一緒に何かをすること」の大切さに気づきました。 仕事終わりに同僚とビールを一杯飲むことや、誰かとピクニックに行くこと。 そうした何気ない時間が、実はとても豊かだったのだと、多くの人が再認識したと思います。 人との関係を続けていくためには、お互いを清潔に、健やかに保つことが必要です。 相手への配慮があってこそ、関係は長く続く。 〈hinok〉は、そうした気づきから生まれたブランドです。

ヒノキとの出会い、森を育てるということ
hinokがチェジュ島のヒノキを使うことになったきっかけを教えてください。
また、収穫を行う上で大切にしているについても教えてください。
〈hinok〉でヒノキを使うことになった理由は、 持続可能で、自然を壊さずに使い続けられる原料を探していたからです。 天然で、抗菌・消臭の効果があり、なおかつ環境に無理をかけないこと。 その条件に合致したのが、チェジュ島のヒノキでした。 木が健康に育つためには、定期的な枝打ちが欠かせません。 森の中には大きな機械を入れることができないため、枝打ちや選別はすべて人の手で行われています。 〈hinok〉の商品が、他の製品と比べて決して安くはないのは、こうした背景があるからです。 機械を使えば、より多く収穫することもできますが、それでは木を傷つけてしまいます。 私たちは、チェジュ島の各地域に暮らす人たちとともに作業をしています。 そのため、収穫は毎月、少量ずつ。 料理に少し似ていて、「オーダーが入ったら枝打ちをする」 地域ごとに担当の方がいて、森と向き合いながら、無理のない形で収穫を続けています。

hinokと日常、その先にあるもの
hinokが日常にあることで、生活や価値観はどう変わると思いますか?
プロダクトは、日常の中で頻繁に使われるもの。だからこそ〈hinok〉は、しまい込まれる存在ではなく、 暮らしの中に自然と置かれ、手に取られる存在であるべきだと考えました。どんな空間にも静かになじむことを目指し、ディテールをできる限り削ぎ落とした、最小限のデザインに辿り着いています。日常の中で主張しすぎず、それでいて確かにそこにある。そんな在り方が、暮らしの心地よさをつくると考えています。デザインの答えは、自然の中にありました。ヒノキの森に足を運ぶと、朝の空気が強く印象に残ります。木は根元に向かって太くなり、その安定したフォルムは、人に無意識の安心感を与えてくれます。エッジのない、丸みのある曲線。その柔らかさと静けさを、プロダクトの形に重ねました。朝のヒノキの森は緑でありながら、どこか青みを帯びた澄んだ色。その清涼感の記憶を、〈hinok〉の色として落とし込んでいます。私はお気に入りのお洋服を長く楽しむために、日々のケアを欠かしません。外出から帰ったあと、コートなど頻繁に洗えない服のために、私は〈hinok〉を選んでいます。12種類の繊維に対する安全性の検査・認証を受けているので、カシミアやシルク、革といった洗えない素材にも安心して使えるのが魅力です。自然の力で抗菌・消臭ができる〈hinok〉は、ドライクリーニングの回数を減らすことにもつながり、結果として環境への負荷を抑える選択肢になると思っています。ケアを「手間」ではなく、「向き合う時間」として楽しめること。それも、日常の価値観を変えるひとつの要素だと感じています。

hinokが形づくる、暮らしと人の関係
「私たちが提案するファッションとは、着るものだけではありません。生活、生きることを豊かにするすべてのもの。」
これはトゥモローランドがはじまって以来、ずっと大切にしている考え方でもあります。
hinokが、大切にしている理念を教えてください。
私たちは「共生」という言葉をとても大切にしています。 Always with Green —— いつも緑と共に 自然は主張しませんが、常にそこにあります。 人にも自然にも溶け込む存在でありたい。すべての答えは自然から探しています。 また、私たちはチェジュ島の人たちと共に仕事をしています。 原料の調達から製品づくり、パッケージングに至るまで、ローカルコミュニティと深く関わっています。 例えば、製品の包装作業はひとり親の方々が働く団体と一緒に行っています。 そこで働く人たちが、きちんと日常生活を送れることが何より大切だからです。 環境への配慮として、プラスチックや紙にはリサイクル素材を使用していますが、私たちにとってサステナビリティは、素材選びだけで完結するものではありません。「一緒につくっていくこと」そのものが、最も大切な考え方だと思っています。エンドユーザーの方にとっては、〈hinok〉を手に取ることで、地域支援やサステナビリティ、プラスチックニュートラルといった取り組みに、意識せずとも自然に参加できる。〈hinok〉が日常にあることで、暮らしの中の選択や価値観が、少しずつ、でも確かに変わっていく。その先にあるものを、私たちは大切に育てていきたいと考えています。
Interviewer Mayumi Hirase / SUPER A MARKET AOYAMA




