TOMORROWLAND

‑Special Interview‑ KITOWA

  • .ss-article-box{ font-size: 13px; color: #222; font-weight: 300; }
  •  

    KITOWA

    SPECIAL INTERVIEW

    TOMORROWLANDのために特別に調香された、バスエッセンス “SHINRIN YOKU” 森林浴。
    深い森の息吹を思わせるその香りには、〈KITOWA〉ならではの、日本の固有種が持つ木の香りと静謐さが息づいています。
    今回、この特別な香りを手がけるにあたり、〈KITOWA〉の歴史や哲学を、調香師 平野 奈緒美氏にスペシャルインタビュー。
    その魅力をお伝えします。


  • 調香師 平野 奈緒美

    フランスの香り専門教育機関 ISIPCA パフューマリーコース修了後、高砂香料工業株式会社に入社。 2023年より株式会社日本香堂にて、ホームフレグランスやパーソナルケア製品の調香を担当。 日本の固有種が持つ奥行きのある香りの表現を得意とし、繊細でありながら芯のある香りづくりに定評がある。

  • INTERVIEW


  • 1. ブランドと香りの出会い — TOMORROWLANDの世界観
    〈KITOWA〉が抱く〈 TOMORROWLAND〉のイメージ はどのようなものでしょうか?

    平野 :〈KITOWA〉と 〈 TOMORROWLAND〉 のどちらのお客様にも、“上質で洗練された大人”という共通のイメージがあります。今回お話をいただいた際、〈KITOWA〉のコンセプトや考え方を変えることなく、その延長線上でご一緒できると感じました。商品を作った、その先にいらっしゃるお客様を思い浮かべたとき、両ブランドのお客様像が似ていることは、私たちにとって大きな意味がありました。また、お店にも伺わせていただいた際にも、上質さがありながら、バリエーションが豊富で、手に取りやすいところも魅力的でした。“ここで何かが見つかる”という感覚があって、だからこそ幅広いお客様がいらっしゃるのだと思います。自分の好きなものがわかっていらっしゃる方が多くいらっしゃるからこそ、洋服のアイテムのなかに〈KITOWA〉のような商品があるのがすごく新鮮で興味を感じていただけているのではないでしょうか。



  • 2. 調香のこだわり — 森を描くプロセス
    そのイメージから、どのようにしてこの「SHINRIN YOKU 森林浴」という香りが生まれたのでしょうか?

    平野 :〈KITOWA〉のコンセプトは「木」と「和」です。そこで、和の素材を活かしながら、さまざまな木々をモチーフに香りを構築したいと考えました。 木々の香りと和の素材を組み合わせ、リラックス感をどう表現できるかを検討した結果、「森林浴」がひとつのキーワードとして浮かびました。 北欧を訪れた際の印象も少し影響しています。 冷たい空気や針葉樹林のイメージから、ヒノキ、サンダルウッド、セダー、スギ、クスノキなどのウッディーノートをどう調和させるかが、最初の悩みどころでした。 木の香りだけでは重くなりすぎてしまうため、森林浴の清々しさを表現するには、葉や枝、山肌に生える草の香り、そして空気感といった“森の全体像”も取り入れる必要がありました。 さらに、カンファーやベルガモットオイルなどもアクセントとして加え、ウッディーノートとのバランスを丁寧に調整しています。 こうして、香り全体の調和を大切にすることで、「SHINRIN YOKU 森林浴」の清らかで落ち着いた森の世界観を表現することができました。



  • 3. 香りの個性 — カンファーの可能性
    “SHINRIN YOKU” の調香のアクセントになっているカンファーの香りにはどのような特徴がありますか?

    平野 : カンファーはさまざまな木や植物に含まれる成分で、ラベンダーやローズマリーにも含まれているんですよ。 特徴としては、清涼感があり、抗菌・消臭・などの作用もあります。楠(クスノキ)の種類によっては、カンファーの成分が特に多く取れるものもあります。カンファーには鎮静作用もあり、リラックス効果や集中力を高める効果も期待できます。メントールとは異なり、甘さは強くないですが、鼻をすっと通る感覚があり、花粉症の時にも心地よく感じられることがあります。最近の研究では、緩和やリラックスの補助としての可能性も報告されており、まさに“森林浴の香り”として面白い成分だと思います。



  • 4. 香りの体験 — バスタイムで楽しむ
    バスタブにゆっくり浸かることで得られる 香りの力 や、オススメの バスエッセンスの使い方 はありますか?

    平野 : 香りについて言うと、入れた瞬間の立ち上がりが本当に良いんです。〈KITOWA〉のバスエッセンスは香りの持続性も高い方だと思いますが、どうしても時間と共にお湯の中に沈んでいってしまいます。 香りをしっかりと楽しみたい場合は場合は、入るたびに少しずつ入れて軽く混ぜる。最初に立ち上がる香りの勢いと、少し混ぜて落ち着いた後にバスタブ全体にふわっと広がる香り。その“変化”もぜひ楽しんでいただきたいです。また、バスエッセンスの主成分はオリーブオイルで、その中心となるオレイン酸は、人の皮膚に近い性質を持っているため浸透しやすく、しっとりとした使用感です。一般的な乳白色の入浴剤にはミネラルオイルが使われていることが多く、“皮膜をつくるだけ”で肌の内側には浸透しません。その点、〈KITOWA〉のバスエッセンスに配合されている天然オイルは肌にしっとり馴染み、入浴後の保湿感や使い心地にしっかり差が出ます。少し価格は上がりますが、その質の違いをご評価いただいているのだと思います。香りだけでなく、成分そのものにもこだわっているのはそのためです。



  • 5. 日本文化とのつながり — 香りの歴史を紡ぐ
    日本香堂の長い歴史から培われた 日本の香り文化 は、〈KITOWA〉の調香にどのように活かされているのでしょうか?

    平野: 日本の香り文化には、香道に象徴されるような「香りを聞く」という独自の感性があります。 それは香りを強く主張させるのではなく、控えめでありながら深い余韻を持つ“静けさの美”を大切にする文化です。 日本香堂は、そうした日本特有の美意識を長い歴史の中で受け継いできました。 米粒ほどの小さな香木に世界を見出す精神性や、香りを通じて心を整えるという香道の考え方など、 “奥ゆかしさ”や“凛とした佇まい”を重んじる日本の香りが、〈KITOWA〉の調香にも深く息づいています。 香りが、静かに、そっと寄り添うように香るのは、まさにその影響です。 過度に主張せず、纏う人の内側にある美しさを引き立てる。 その控えめな香りの中に、しっかりとした芯の強さや精神性がある—— そんな日本特有の香り文化のエッセンスが、現代的に再構築されているのです。



  • Interviewer
    Mayumi Hirase
    SUPER A MARKET AOYAMA

  • ITEM

  • KITOWA

    KITOWA for TOMORROWLAND バスエッセンス200ml

    ¥6,600

ニュース一覧に戻る